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固く決心したって何の役にも立たない

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私はずっとずっと思い込んでいました。

鉄のような固い意志があれば、どんなことでも成し遂げられる、と。

しかし、現実はどうでしょう。理想の自分を思い描いては挫折し、再度決心し直しては挫折し、の繰り返し。さすがにうんざりしてきたのです。そんなとき、1冊の本と出会いました。あの、『スイッチ!』に。

スイッチ! 〔新版〕― 「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション)

人間や組織がいつまでたっても変われないのってなぜだろう?それは、私たちのなかで「象(感情)」と「象使い(理性)」が戦っているから。怠け者で気まぐれだけど、エネルギーのみなもとになる「象」。計画的なリーダーだけれど、頭でっかちで空回りすることもある「象使い」。両者が協力しあうためのちょっとした工夫をとりいれたら、驚くほど簡単に変化は起きる。(表紙裏書きより引用)

このように、本書では象と象使いを例に引き出し、いかにすれば人が変われるかを説きます。具体的には、

1.象使いに方向性を教える
2.象にやる気を与える
3.道筋を定める

という手順で話が展開されます。話は具体例が豊富で、「クリニック」と名付けられた設問もあります。380ページほどありますが、わりとすんなり読めました。細々とした内容説明はぜひ読んで頂くとして、ここでは私にガツンと衝撃を与えた第8章「環境を変える」について書いてみます。

人間の問題に見えても、実は環境の問題であることが多い

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これまで説明してきた厳しい環境(航空機のコックピット、病院、ITグループ)では、適切な行動が自然と生まれた生まれたわけではない。(中略)リーダーたちは意識して道筋を定めなおす必要があった。そして、環境をわずかに変えただけで、急に適切な行動が取られるようになった。変わったのは人間ではない。環境だ。人間の問題に見えても、実は環境の問題であることが多いのだ。(p.256)

本書では、環境を変えることによりうまくいった例を挙げています。

・航空機事故の大半が離陸と着陸の最中に起きていることから、航空業界では「無菌操縦席(ステライル・コックピット)」という規則を採用している。航空機が1万フィート未満を飛んでいる場合は、飛行に直接かかわる内容を除き、コックピット内での会話を禁止する規則を指す。

・病院において、看護師が患者に投薬を行う作業は緊張感を要する。にも関わらず、投薬中に他の医師から話しかけられたりと、集中を妨げられることでミスが起きることがある。これを防ぐため、看護師は「投薬チョッキ」を着ることに。チョッキを視覚的なシンボルとすることで、「投薬中なので邪魔しないで」と伝えられる。

このように、環境を整えることの大切さが実例をもって示されています。航空機では規則が、病院ではチョッキが、それぞれ大いに役立っているのです。

自分の意志だけでは限界がある

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多くの人が経験しているように、自分自身の行動を変えるときは、自分にセルフコントロールを課すよりも、環境を変えるほうがかならずうまくいくのだ。(p.256,257)

私たちは、何かうまくいかないときに「環境のせい」にすることを嫌います。環境が悪いなんて言おうもんなら「言い訳するな!」とよく怒られたものです。逆境を乗り越えて成功を目指すことが美徳になっているのです。

しかし、しかしですよ!環境が悪ければその分努力しなければなりません。時間もかかるし、体力だって必要ですよね。それを乗り越えるのは至難の技と言えます。環境が悪いなら、まずは環境から改善をしていくべきなのです。

本書を通じて学べるのは、”努力や意志といった不確定な要素に頼らず、必然的に変われる環境を作ること”の重要性です。環境を整えることなくして変わろうとするのは大いなる遠回りと言えるでしょう。

というわけで

理想の自分に近づきたい、今の自分から変わりたい、というのは古今東西の悩みです。かくゆう私もその1人・・・。これまでは闇雲に変わろう、変わろうとしてきました。しかし本書を読み、「変わるにも手順がある」ことを思い知ったのです。変わりたいけどどうしてよいか分からない、という人こそ読んでほしい!良書です。

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