現役経理マン、シマショーゴです。
もうすぐ日商簿記検定の試験ですね。簿記といえば思い出すのが大学時代。当時、私はサークルなどに入っておらず、友達も少なかったので時間だけは膨大にありました。何かしなくちゃと考えたとき、たまたま大学で講座を開いていた簿記でもやってみるかと思い立ち勉強開始。結果、2級を取得しました。
大学卒業後、商社へ入社した私は簿記を持っていたからか、社交性に欠けると見抜かれたか経理部に配属。そこから7年間、係替えなどはあったものの経理にどっぷり浸かりながら現在に至ります。
今になって思うのは、もっと簿記の勉強をしておけば良かった!ということ。時間のあるうちに簿記1級まで取得できていれば、なんて夢想することもしばしば。というのも、簿記の勉強は実務に直結しているからです。どんなところが?と疑問に思う方に向けて、「経理マンが考える、簿記の必要性」をお話したいと思います。内容は以下の3点です。
1.ITが発達しても、仕訳は理解する必要がある
2.体系的な理解が仕事のスピードを早める
3.周囲からの注目度が(少し)上がる
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よく言われるのが、今はシステムが発達して仕訳もパソコンがやってくるのに、簿記の資格が必要?ということ。確かに、仕訳はシステムが自動でやってくれるものもあります。変な仕訳を切ればエラーが出ますし、なかなかに便利です。だからといって簿記の知識が不要にはなりません。それは「なぜ、この仕訳になるのか?」を人間が理解しなければならないからです。
こういう取引をすると、こういう仕訳になる、という流れが理解できていないと、イレギュラーなケースに対応できません。実務でよくあるのが、新規ビジネス開始に伴い会計処理を考えるケース。ビジネスの内容を営業からヒアリングし、合わせて会計処理はどうあるべきか経理で考えます。ここで簿記の知識が必要になります。商品を仕入れたとき、売り先に引き渡したとき、決済したとき、基本的な仕訳の理解があれば応用が効くのです。
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仕事をしていて一番時間を食うもの、それは「悩んでいる時間」です。これをどう処理しよう、と悩み続けて半日経過ということもあります。新規の案件など、時間がかかっても仕方ないこともありますが、多くは知識不足に起因します。それも、この部分の知識が欠けているな、というピンポイントなものです。(ちなみに私はいつも税効果会計のトコでつまずいています・・・)
簿記の場合、一通りを勉強するため体系的な理解ができるのがメリットです。つまり、会計処理で悩むことがあっても、「何がわからないかわからない」という状態を避けることができます。基本的な知識があれば、それをベースに先輩や上司へ質問もでき、比較的スムーズに解決するのです。少なくとも質問できる状態まで自分の理解を持っていく、というのは非常に大切だと言えます。
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経理をやっていると、「簿記の資格持ってるの?」という話題が出ます。ここで、「一応、1級持ってます」なんて言えると注目度はかなり上がります。2級は少しだけ上がります。3級は何もありません。
注目されるから何なの?と思うかもしれません。この注目というのは意外と大切で、なぜなら「あいつは会計に詳しそうだから相談してみよう」と機会が回ってくるのからです。資格保持=仕事ができる、なんて言いません。資格持ってなくても凄い人はたくさんいます。しかし、”資格をきっかけに仕事の相談を受ける→アレコレ考える→解決する”というサイクルがあることも事実。結局、仕事をしなければ仕事の能力は上がりません。他人から「詳しそうだ」というイメージを持ってもらい、仕事をこなすことで本当に詳しくなっていく。ハッタリも大いに重要なのです。
経理マンが考える簿記資格についてお話しました。経理は専門性の高い分野でもあるので、知識がなければより突っ込んだ仕事ができません。だからこそ、日々の勉強が必要になります。しかし、サラリーマンになり、仕事が大変で時間がないという言い訳の元、勉強する習慣がすっかり影を潜めた気がします。大学の頃は(ヒマだったので)簿記の勉強を1日3~4時間していました。このときの気持ちを思い出して自分を律していこうと思います。